山行地 知床半島
期間 2002年8月5日(月)~8月25日(日)
メンバー 3年 CL 多田 有輝
2年 SL 水口 陽介
F 押野 翔一
1年 F 玉田 悠貴郎
F 深野 匠
目的 厳しい自然に負けず、シレトク(地の果て)を目指し、自分を向上させる!
使用地図 1/25000 知床五湖、羅臼、硫黄山、ルシャ川、知床岳、知床岬
8/5(月)
13:00JR柏駅集合。2食でカレーを食っていた俺以外は(測量合宿中のジャニーを除く)全員時間通り集合していたらしい。合宿初っ端からすみません。
我らの見送りにきてくれた江尻さんから酒・ビタミン剤・カウベル、そして去年知床でなくした物リストを渡される。匠のザックがすでに飽和状態になっており、
やや不安。一方玉のザックは山靴をやめてランニングシューズにするほどの軽量化を図っており、こちらはこちらで不安。まぁ、先のことはあまり考えないこ
とにして…。
大洗に着き、あることに気付く。駅寝が出来ない釧路で寝るためのテントをジャニーから預かるのを忘れていた。まぁ、テントがなくても何とかなる。
(と、プラス思考に考えるしかない。)
そして、予定より15分遅い18:45大洗港出航。出航するやいなやビールで乾杯。夏合宿が始まるまで、一体あと何回乾杯するのだろう?
8/6(火)
船は予定より15分早い13:00苫小牧港に着いた。13:40発の苫小牧駅行き市営バスに乗ろうと思っていたが、そのバスがなかなか来なく、その代わりに
その10分後発の札幌駅行き高速バス(中央バス)が来た。苫小牧駅にも止まるということなのでこのバスに乗る。¥240、15分ぐらいで苫小牧駅に着いた。
そして、駅周辺で昼食。
知床斜里駅までは鈍行で丸2日あれば余裕で着くので、今日中途半端に動くのは金銭的に勿体無い。そこで、苫小牧アルテン"ゆのみの湯"に行くこと
にした。苫小牧駅北口バス乗り場から市営バスで¥440、40分ぐらいで着いた。途中、バスは俺の母校であるエンゼル幼稚園の近くを通った。ん~、懐かしい。
苫小牧アルテンはオートキャンプ場兼温泉で、当初は温泉だけの予定だったが、パークゴルフ&温泉&飯のセットで\1500というのがあったのでこの
セットコースをすることにした。駅にザックをデポってきているので気分は単なる観光客。玉はやたら蚊に刺されている。そして、ビールを飲み、終バスで
駅に戻る。
駅に着き、明日の朝飯を買いにコンビニに行こうとした時、親父から1本の電話が…。そして今年は何と本人登場、今年もまた差入れを貰う。差入れの品
はてりやきマックバーガー&ポテトだった。サンキュ!どうやら、本人が酔っ払ってないと酒は持って来てくれないようだ。
8/7(水)
今日はひたすら列車の旅。景色を眺めるか、読書するか、寝るかの三択だった。昼飯の時間になったので(←ウソです。電車がなかっただけです。)
池田で一度下車。降りたからには観光。ということで、池田ワイン城に行き試飲(ただ飲み)。そこのレストランで昼食にしようとしたが、値段が高すぎて無理だ。
結局、駅前の熊っ子ラーメンで食べた。大盛りを頼んだわけではないが、かなりボリュームがあった。
その後釧路に向かう。話には聞いていたが、確かに駅寝出来そうにない。まぁ、行けば分かります。そこで、明日釧路湿原を観光することを考慮して、
釧路湿原駅の1駅先の細岡駅で寝ることにする。トイレ付きのなかなか寝心地の良い無人駅だ。蚊は多いが…。
8/8(木)
朝起きてまず、1駅戻って釧路湿原駅に向かう。細岡展望台からの眺めは見事だった。晴れていれば尚良かっただろうに…。それから散策路を歩き、
細岡ビジターラウンジに着いたが、まだ営業していなかった。開業30分ぐらい前にそこの係員が来て、小雨がパラついていたこともあり、中に入れてくれた。しばしそこで休んだ後、駅に戻り知床斜里駅を目指す。この沿線は本当にのどかだ。
知床斜里駅に着き、駅横の観光案内所で斜里マップを入手し、駅で自転車を(無料で)借りる。まず斜里警察署に計画書を提出。営林署は近隣の営林署と合併し、分署として知床森林センターと改称されていた。ここには計画書を提出しなくてよいと言われた。その後駅近くのお化けが出そうな店でランチ。昼食後、食料買い出し。スーパーしゃりフードセンターで買い出しを始めたが、行動食の品揃えが悪い。そこで、行動食のみAコープで買う。最初からAコープに来ていれば良かったと思うほどあらゆる物の品揃えが良い。
駅に戻り食料分けをし、グリーン温泉に行き、合宿前最後の風呂に入る。その後、駅近くのお好み焼屋で晩飯を食べ、合宿前最後のビールを飲む。駅に戻ると鍵が掛けられていて中に入れない。荷物を外に出しておいて良かった。その夜はもの凄~く寒かった。合宿が心配である。
8/9(金) ≪合宿1日目≫ 天気:くもり
11:00にジャニーと合流するまでしばし暇つぶし。この街で暇をつぶすのはなかなか難しい。手段は1つ。セイコマで立読みである。ジャニーと合流後、11:40発の知床大橋行きの斜里バスに約1時間10分乗り、岩尾別(ユースホステル前)バス停で下車(¥1770)。
岩尾別温泉まで歩き、例年通りホテル地の涯の川沿いの駐車場にテントを張らさせてもらおうと思ったが、最近は熊に対する知識があまりない観光客による餌付けなどの影響により、熊に対する規制が厳しくなったらしく、テントを張らさせてくれない。天図の時間には間に合いそうにないが、日没までには間に合いそうなので、急遽弥三吉水まで行くことにした。今後は、岩尾別温泉ではC0は張れないものと考えるべきだろう。どうしても岩尾別温泉で1泊という場合は木下小屋で素泊まり¥1500/人。
木下小屋で非常水&C1までの水+αぐらいの水を汲もうとしたら、小屋の主が出て来て、「弥三吉水の方が良い水だよ。」とおっしゃる。?。ここの水は過去の報告書から水道水だと思い込んでいたが、蛇口があるだけで実は湧き水とのこと。そこで、とりあえず弥三吉水までの行動水と今晩の料理用の水だけをここで汲み、非常水はホテル地の涯で汲む。
登山口で集合写真を撮ってもらい出発。皆ほとんど水を持っていないせいか、かなり良いペースで進む。俺をおいていかないでくれ!
今日の天図によれば、北海道の南側に停滞前線があり、しばらく天気の悪い日が続きそうだ。合宿始まって早々、ちょっと憂鬱である。何とか晴れてくれ!
【今日の行動】 (使用した行動水:約1㍑)
岩尾別バス停(13:05)→岩尾別温泉(13:55~15:00)→559m(15:55~16:25)→弥三吉水=C0(17:20)
【水場・テン場】
水 ホテル地の涯(水道水)、木下小屋、弥三吉水
テ 弥三吉水(小エス2張)
8/10(土) ≪合宿2日目≫ 天気:ガス
やはり合宿が始まってテント初日。準備に時間が掛かり、5:00出発の予定が40分遅刻である。明日以降はちゃんとしなければ…。弥三吉水を出て、銀冷水を過ぎ、大沢の1250m付近に雪渓があったが、登山道の泥と混ざり合っていて、とてもじゃないが飲むことは不可。(←あくまでも雪渓があったということ。)
ツアーの中高年登山者に次々と追い抜かれつつ、羅臼平に着く。相変らずガスっていたので羅臼岳ピストンを予定通りしようかしまいか迷ったが、ピストンしないで後悔するより、(この天気の中)ピストンして後悔した方がマシだということで、予定通りピストンした。岩清水から羅臼岳ピークまでの岩場の道はピストンの荷物で軽いのでビビることはない。とは言うものの、足元には十分注意しましょう!ピークで岩と記念撮影。(←ガスっていたので岩以外背景が皆無でした。)やっぱ来て良かった、と皆思っている筈…。
羅臼平に戻り、いよいよ稜線歩き。登山道を歩けば良いだけなので気は楽なのだが、荷物が重くて足がなかなか思うように前に出ない。サシルイ岳でジャニー&オトゴツに荷物を少し持ってもらう。サンキュ、あの時はマジで助かった!
オッカバケ岳手前コルで、ガスが濃くなってきたこと、天図の時間が近いこと、体力的なことを考慮して、今日はここでテン張る。高山植物が一面に広がっていて、テン張るのが大変申し訳ない。なるべく高山植物の少ない所を探し、そこにテン張った。できることなら、使うのは好ましくないテン場だと思う。
【今日の行動】 (使用した行動水:4㍑弱)
弥三吉水=C0(5:40)→銀冷水(7:05~7:20)→羅臼平(9:05~9:30)→羅臼岳(10:20~10:40)→羅臼平(11:15~11:35)→1367m付近(12:35~12:55)→サシルイ岳(14:05~14:25)→1319m付近の池=C1(15:30)
【水場・テン場】
水 銀冷水、羅臼平(岩清水)、サシルイ岳手前コル、オッカバケ岳手前コル
テ 銀冷水(大エス1張)、羅臼平、サシルイ岳手前コル(小エス2張)、オッカバケ岳手前コル
8/11(日) ≪合宿3日目≫ 天気:晴れ
今日は昨日の遅れを取り戻すため、少し早めに出発する。今日は朝からこの合宿が始まってから初の晴天である。オッカバケ岳下りで二ツ池の両方に水があることを確認出来たので、北の方の池で全員満ポリにする。C2の水場は年によって水がない年もあるからだ。登山道が続くのは知円別岳との分岐地点まで。ジャニーの大暴走もここまでだ。
知円別岳との分岐地点から東岳・1502m方面の眺めはハリウッドを思わせるような岩の切り立った感じである。皆これから先写真を撮れない(撮る余裕がない)だろうからと、ここぞとばかりにシャッターを押しまくりである。知円別岳との分岐地点から1502mまでは踏み跡があり、所々ハイマツ漕ぎがあるが、基本的には崖上の道を歩く(岩稜歩き)。左側に落ちないように充分注意しましょう。
1502mに着くと、国後島が見えた。1502mの下りは、1502mから東北東に伸びる尾根上に踏み跡&赤テープがある。尾根下りの始めの方はハイマツ漕ぎだが、やがて岩稜になり、それ沿いに進む。しばらくすると岩がなくなり再びハイマツ漕ぎとなる。すると、ちょっと行った辺り(1350m付近)に1本取れそうなスペースがあり、そこで1本。そこから北に行くとすぐヤブ沢が現れ、その先に北へトラバースする踏み跡&赤テープを発見したのでそれを進む。(←この道は1502mからはっきり視認できた。蛇行していた。)慎重に行けば赤テープを見失うことはないだろう。去年江尻さんがなくした物は勿論全て回収できませんでした。
そして、C2に延びるヤブ沢に出る。途中何回かヤブ沢を外れるが、基本的にヤブ沢を下る。赤テープもあるのでそれを辿れば良い。
テン場に着き、昨日・一昨日濡れたテントを乾かす。今年はテン場に雪渓があったので水もあった。濁っていてあまり使いたくないが…。ここでC0・C1でやりそびれていた熊除けスプレーの試験発射をする。勢いよく飛び出すので、体が少し後ろにもっていかれる。今後このスプレーを使う人は必ず試験発射をして下さい。ただ、6秒でスプレーの中身が出きってしまうので、あまり調子に乗って出し過ぎないように!
【今日の行動】 (使用した行動水:5㍑強)
1319m付近の池=C1(3:45)→オッカバケ岳(4:15~4:25)→二ツ池(5:05~5:25)→南岳(6:25~6:45)→知円別岳との分岐地点(8:05~8:30)→東岳(9:30~9:50)→1502m(10:35~11:15)→1350m付近(12:25~12:45)→1250m付近(13:45~14:00)→1150m付近=C2(14:50)
【水場・テン場】
水 オッカバケ岳下り右手雪渓、二ツ池、1150m付近テン場
テ 二ツ池(10張)、知円別岳手前湿地帯、東岳手前コル、1150m付近(大エス4張)
8/12(月) ≪合宿4日目≫ 天気:晴れのちガス
C2からは昨日に引き続きひたすらヤブ沢を下る。1080mテン場で1本取るが、ここで俺のザックの修理に時間を食う。皆さんすみませんでした!その後更にヤブ沢を下り、ズタ袋に到着。のぶよポリタンは誰かに回収されたのか、そこにはなかった。
そこから赤テープなりに左に入り、それを進む。今後のハイマツ漕ぎに比べれば大したことはないのだろうが、それにしてもかなりのハイマツ漕ぎである。踏み跡なりにルシャ山に到着。ここでまたしても、今度は俺のスパッツの修理。一体俺は知床でどれだけの物を壊すのだろう?
ルシャ山の下りの作戦を皆で再確認し、いざ出発。その作戦とは、まずルシャ山の北東に延びる尾根を傾斜が緩くなるまで下り、傾斜が緩くなった所から進路を北東にとり、予定のC3がある沢筋に出ようというものだった。当初は順調に尾根を下る。しかし尾根上770m付近に来た所で、今日これからの行動時間や体力的なことを考えて、ここから693m付近を目指すことにした。これが失敗だった。尾根を外れしばらく下りると涸れ沢に出たので、それをルシャ川に通じるものだと信じ、それを下ることにした。
笹地の平坦な所に出たので、今日はここをテン場とする。この辺りの笹は人の背丈ぐらいあり、なかなかウザい。夕方になるとガスってきたので、現在地を確認することが出来なくなった。ヤバい。今さらになって、当所の予定通りのルートで行っていれば良かったと、自分で自分を悔やむ。
【今日の行動】 (使用した行動水:6㍑)
1150m付近=C2(4:05)→1080m付近(4:50~5:45)→ズタ袋(7:05~7:35)→ルシャ山手前コル(8:35~8:55)→ルシャ山(9:30~10:30)→稜線上800m付近(11:40~11:55) →稜線上770m付近(12:55~13:15) →?(14:30~?) →稜線上770m付近から北東に下り続けて出た沢筋(15:55~16:30) →その沢筋沿いの笹薮=C3(17:50)
【水場・テン場】
水 1150m付近、1080m付近
テ 1080m付近、ルシャ山ピーク(小エス1張)、693m付近笹地帯、沢筋上笹薮
8/13(火) ≪合宿5日目≫ 天気:雨&ガス
昨日に引き続きその涸れ沢を下る。当初は順調に進んでいたが、1時間ぐらい下りてからだろうか、進路が北西を向くようになった。このままだとこれはポンルシャ川に通じる沢筋なのではないかと考え、現在地から進路を無理矢理東にとれば、693mからルシャ川に通じる沢筋に出るだろうと考え、笹薮帯を東に進むことにする。
1時間ぐらいするとヤブ沢に出たので、これこそがルシャ川に通じる沢筋だと考え、下りる。20分ぐらい下りると、今度はその沢筋は東南東を向いた。これは700mピークから東に延びるキキリベツ川支流の沢筋なのではないかと思い、引き返す。現在地確認をしたいところだが、ガスで視界が利かず無理。この状況で、今日これ以上行動するのは非常に危険と判断し、テン場になりそうな所を探し、テン張る。皆には不安な思いをさせてしまい、大変申し訳ない。明日晴れることを願う!
【今日の行動】 (使用した行動水:1㍑)
その沢筋沿いの笹薮=C3(5:30) →?(6:30~6:45)→?(7:50頃~?)→564m北東からコンブハマ川に続く沢筋(?~?)→その沢筋を引き返し、その沢筋沿いの笹薮=C3'(9:00)
8/14(水) ≪合宿6日目≫ 天気:晴れ
今日は朝からガスもなく視界も利きそうだ。何としても今日はルシャ川に出なければならない。テン場を出て1時間ぐらい進んだ高い所まで行き、現在地確認。すると、(現在地は700mピークの南側なのではないかという)予想に反して現在地は564m北東付近と判明。予想と現在地がかなりずれていたので、ここだと判明するのにかなり時間がかかった。ここから北西を目指し、ルシャ川に出ることにする。
1本目の沢筋にぶつかったが、これは地形などから判断して、コンブハマ川に通じる沢筋だと判断し、通過。2本目の沢筋は、地形が沢であるというのが分かりづらく、これは地形図の斜里町と羅臼町の境界線の564mから北に行きその境界線が北東を向いている所辺りのすぐ北にある(700mピークの脇から流れている沢筋の東側)沢筋と判断した。行って行けないこともないが、我々は確実にルシャ川に出たかったので、そのもう1つ隣りの700mピーク脇の北西から流れる沢筋を目指す。すると、沢筋発見。下りる。どんどん下りる。しばらく行くと左から水のある沢筋が合流。YATTA!!ここで沢足袋に履き替え、下降する。
川原歩きが続く。ん?過去の報告書によると、ルシャ川奥二俣までのこの辺は滑りやすいとのことだが、滑ることは全然なく、むしろとても歩きやすい。しかも、荷下げする必要がありそうな所など全くない。なぜだろう…。そして先に進むにつれて、地形図と比べて自分達が進んでいる方向が明らかに違うことに気付く。ルシャ川は奥二股まで北東あるいは東北東を向くのに対して、我々の進路は北北東あるいは北を向いていた。???…。実は我々はポンルシャ川に出てしまっていた。何てこった…。今更戻るわけにもいかないので、不安を抱きながらポンルシャ川をこのまま下ることにする。地形図に見る崖マークは確かに沢に対して切り立った崖になっていたが、ポンルシャ川の我々が歩いた部分は幸いにして、ルシャ川のポンルシャ川との出合から海に出るまでのような感じの川原歩きだったので、難なく下りることが出来た。1箇所高巻きがあったが、踏み跡があったのでそれを辿って下りた。ザイルなどは必要ない。
ずっと川原を歩き続け、予想通りルシャ川・ポンルシャ川出合に到着。長江さん達は右岸にテン張ったようだが、我々は左岸に張った。どちらでも張れるが、右岸の方が日当たりが良いだろう。オトゴツと玉はやっと釣りができてさぞかし嬉しそうだ。
【今日の行動】 (使用した行動水:3㍑)
564m北東からコンブハマ川に続く沢筋沿いの笹薮=C3' (4:55)→564m北東付近(6:05~7:05)→(8:05~8:15)→ポンルシャ川との出合(310m付近(?))(9:05~9:55) →ポンルシャ川290m付近(?)(10:55~11:20)→ポンルシャ川200m付近(12:35~13:05)→ポンルシャ川140m付近(14:05~14:20)→ルシャ川・ポンルシャ川出合=C4(15:15)
【水場・テン場】
水 沢に出るまでなし
テ ルシャ川奥二俣、ルシャ川・ポンルシャ川出合
8/15(木) ≪合宿7日目≫ 天気:晴れ
4:00に出発しようとしたが、まだ暗いので明るくなるまで待つことにした。20分程待ち出発。特に困難もなくグイグイ進む。単調な川原歩きだ。噂通り、だるい。
川幅が徐々に広くなり、広大なオホーツク海が見えてきて海に出ようとした時、ヒグマと遭遇。今年もかよ!!計6頭と出会う。最初に出会った親子3頭はこちらに気付き、笛を鳴らしたこともあってか、すぐ立ち去って行った。次の親子3頭は、こちらに気付いても立ち去る気配なし。そこで我々は一旦引き返し、木々の裏から回り込み、そっと海へ出る。そんな緊迫した状況の中オトゴツは、「写真撮っちゃマズいですかね?」。何て怖いもの知らずなんだ、コイツは…。そんなに熊の写真が撮りたいなら、のぼりべつくま牧場に行け!
コタキ川河口で1本。漁船や漁師の車が行くのを見て下界を感じると、合宿が振り出しに戻されたような気分だ。コタキ川の遡行もルシャ川と同様に単調な川原歩きが続く。何ヶ所かへつりもあるが、特に注意が必要な所もなく、そこに行って実際に見れば、どこをへつれば良いかなどすぐに分かる。ジャニーはどういう訳か水に濡れたくないらしく、かなり歪なルートで歩いて行く。いきなり進路を変えたりせずに、もっと滑らかに歩いて欲しいものだ。
80m付近から所々函が現れるが、容易に通過できる。その後小さな滝が何個か現れるが、これも容易に通過できる。180m付近の釜を持った滝は右をへつっていった。ホールドがあると言えばあるものの、1年の玉と匠にはちょっと難しかったかもしれない。
かなり楽勝でテン場に到着。右岸に明らかにテン場と思われるスペースがある。釣りをする者、昼寝をする者…様々だった。
【今日の行動】 (使用した行動水:3㍑)
ルシャ川・ポンルシャ川出合=C4(4:20)→ルシャ川30m付近(5:35~5:50)→コタキ川河口(6:45~7:00)→コタキ川60m付近(8:05~8:25)→コタキ川120m付近(9:35~9:55)→コタキ川180m付近(11:10~11:25)→コタキ川250m付近二股=C5(12:25)
【テン場】
ルシャ川下流、ルシャ川河口、コタキ川河口、コタキ川250m付近二俣(小エス2張)
8/16(金) ≪合宿8日目≫ 天気:晴れ
幸運にも沢日和が続く。ようやく沢登りをしているという実感を持てる沢となり、釜のへつりなどがある。どれもホールドがしっかりしているので難なく通過できる。
そして340m付近ゴルジュ帯の高巻き地点に来た。1度ジャニーと偵察する。踏み跡らしきものがいくつかついていたが、なるべく沢からあまり離れないようなルートを選んだ。大岩の手前から左に上がり、踏み跡を辿って100mぐらいトラバースし、また上る。リーダー会で嚇かされた通り、なかなか高度感がある。踏み跡を辿り続けると、長江さんの黄テープ・江尻さんの青テープがあったので、ここから下りる。木に細引きで作った3mシュリンゲを引っ掛けて下りた。
これより先三俣までコタキ川には、ここ以外に特に難しい箇所はない。ジャニーはどうも自分の目先しか見ていないらしく、昨日と同様に不自然なルートを歩く。ジャニー、もっと視野を広げよ!
三俣に着いてから、ジャニーと右俣の偵察に行く。去年の江尻さんと同様に1050m先の南の池にコンパスを合わせて進む。この沢はまさにコンパスを合わせたピッタリの方向にグイグイ上がっていく。赤テープもいくつかある。我々も分かりづらそうな箇所に赤布を付けてきた。途中(多分900~950m付近)まで行き、その先の沢筋も大丈夫そうなので、引き返した。
【今日の行動】 (使用した行動水:約3㍑)
コタキ川250m付近二股=C5(5:30)→コタキ川340m付近(6:45~7:00)→コタキ川390m付近(8:20~8:35)→コタキ川450m付近(9:50~10:05)→コタキ川590m付近(12:10~12:30)→コタキ川三俣=C6(13:10)
【テン場】
コタキ川三俣(小エス1張、チビエス1張)
8/17(土) ≪合宿9日目≫ 天気:晴れ
予定通り右俣を上る。水がなくなりそうな辺り(800m付近)で満ポリ3本追加。水はギリギリな方だが、最低限今日中に1050m先の池には行けるだろうと思い、全員満ポリにはしなかった。それにこのパーティーは燃費いいし。(←あまり暑くないだけのことかも…。実際に、今年の夏の北海道は冷夏でした。)
とりあえず1050m先の池には到達できたものの、江尻さんが成功を収めた知床池に続く道がなかなか見つからない。仕方がないので知床池の方向にコンパスをセットして、ハイマツと戯れることにする。一時、知床池に通じるのではないかと思われる踏み跡(←多分獣道)を発見し、それを辿ったが、すぐにロストしてしまった。かなりの時間ハイマツと格闘した末、1182mから南西に延びる稜線上に出て、そこから見事に知床池に通じる沢筋が見えた。ちょっと一安心。その沢筋に行き、ちょっと上ると知床池に到着。絵に描いたような草原の中にある池であり、幻想的な感じだ。久々に写真撮りまくりである。ここでテン張りたいぐらいだが、その気持ちをグッとこらえて先に進む。
知床池から知床沼までは赤テープやピンクテープが続いていて、踏み跡もある。知床池から踏み跡なりに稜線に上がる。この辺りはぬかるんでいて、靴は泥だらけだ。山靴の俺ですらかなり嫌な思いをしたのだから、ランニングシューズの玉はどんな思いでこの辺りを歩いていたのだろうか…。1132mまでは何ヶ所か崖沿いを歩く所があり、かなり慎重に行く。ここで滑落したら何m落ちるか分からない。
1132mから下り始めると、すぐに知床沼が見える。近そうに見えるが、その割に実際はなかなか遠い。本当は北の沼の西側にテン張りたかったが、日没間近だったので、南の沼の西側にテン張った。テン場に着くや否や、ガスが出てきた。お化けが出そうな雰囲気…。
【今日の行動】 (使用した行動水:4㍑弱)
コタキ川三俣=C6(4:45)→コタキ川三俣右俣800m付近(5:25~5:40) →コタキ川三俣右俣900m付近(6:35~6:45)→コタキ川三俣右俣1060m付近の池(8:25~9:35)→1140m付近(10:50~11:15) →知床池(13:45~14:05)→1132m手前(15:55~16:30)→知床沼=C7(18:30)
【水場・テン場】
水 コタキ川三俣右俣750m付近までは沢水、知床池、知床沼
テ 知床池、知床沼
8/18(日) ≪合宿10日目≫ 天気:ガスのち晴れ
出発早々、884mに続く道を探すのに少々手間取る。884mにコンパスを合わせて探す。すると、北の沼の北側から884mの方向に延びる踏み跡を発見。赤テープや赤が色褪せたテープがある。それからと言うもの、普通の登山道を歩く時並みの速さ(←これはちょっと言い過ぎかな?)でグイグイ進む。木を伐採した跡もあり、歩きやすい。この踏み跡は知床沼から884mまで、ほぼ直線的に続いていて、大きく方向が変わることはない。
884mからポロモイ岳まで、赤テープを辿って行く。途中何回かロストしそうになるが、すぐ見つかった。ラッキー!とは言うものの、ここのハイマツ帯の上りはかなりキツい。それに、偽ピークにも騙されるし…。(でも焦らずに地図をよく見れば、そんなに騙されません。)
ポロモイ岳の下りも引き続いて赤テープを辿る。順調に下り、今日のテン場を探す。確かにコル最低部よりちょっと先の踏み跡の右側に笹薮上の斜めったテン場(正確に言えば、無理矢理テン張れそうなスペース)があった。でも、ここより5分ぐらい前に通った所に割と平らで明らかにテン場として最適な所があったのだが、どう考えてもコル最低部の手前だったので通過してしまった。今考えると、そこにテン張れば良かったかなぁと思う。今日の疲れは100%の確率で取れないだろう。
【今日の行動】 (使用した行動水:4㍑)
知床沼=C7(5:00)→884m手前コル(6:35~6:50)→920m付近(8:15~8:35)→960m付近(10:15~10:45)→ポロモイ岳(12:15~12:45)→930m付近(14:05~14:15)→947m手前コル=C8(14:50)
【水場・テン場】
水 知床沼
テ ポロモイ岳ピーク北910m付近(無理やり)、947m手前コル最低部手前(狭い)
8/19(月) ≪合宿11日目≫ 天気:晴れのちくもり
947mまでは、まあまあ踏み跡なりに赤テープがあった。ロストしたり再び見つけられたりの繰り返しだったが…。歩いている途中、岩場からジャニーが2mぐらい滑落。大丈夫か?と思ったが、どうやら大丈夫そうなので、とりあえず歩を前に進める。947mピークでオロナインで応急処置。
947mの下りは、踏み跡があったりなかったり(=見つけることが出来たり出来なかったり)したが、何とか無事下りることが出来た。850m~900mぐらいまではほぼ稜線上に踏み跡があり、その先は沢筋に出てそれを下り、814mに着く。
814mから進路を北北東にとり、行くとやはり笹帯に出たので、そこを進む。快調に進む。640mピーク手前コルまでは順調に進むことが出来たが、ここから予定のC9テン場に思うように行くことが出来ず、時間的にも天気的にもこれ以上行動することが出来なくなり、途中のテン張れそうな所で今日はテン張る。
現在地は多分、稜線の東側の640mピークの上りの途中だろう。水はメオトタキ川源頭に汲みに行かなければならないほど減っておらず、この先も足りそうなので、汲みには行かなかった。それに何より、時間的に無理だ。それにしても水の減りが少なくて、リーダーとしてはかなりありがたい。
【今日の行動】 (使用した行動水:5㍑)
947m手前コル=C8(4:35)→947m(5:40~6:00)→900m付近(7:25~7:40)→814m(9:30~9:50)→763m手前コル東720m付近(10:50~11:05)→763mピーク北東730m付近(11:55~12:10)→641m南東660m付近(13:15~13:30)→ウィーヌプリ手前640mピーク手前コル南東600m付近(14:55~?)→?(15:50~16:30)→ウィーヌプリ手前640mピーク手前コル北東570m付近=C9(16:45)
【水場・テン場】
水 メオトタキ川源頭
テ 814m(大エス3張)、763m手前コル、ウィーヌプリ手前640mピーク東600m付近
8/20(火) ≪合宿12日目≫ 天気:雨&ガス
例年通り笹帯を進んで640mピークをトラバースして行こうと思ってはいたものの、どうもその笹帯より稜線寄りにいたようで、すぐに笹帯が終わってしまった。現在地から東に行って笹帯を探してそれを行くという手もあったが、すぐ西に稜線が見えたことや長江さんの報告書から640mピークからウィーヌプリまでは道があるということ、そして何よりガスっていてあまり遠くまで視界が利かないことから、現在地から西に見える稜線に出てそれを上り、640mピークを目指すことにした。
ところが雨・風・ガスが強くなる一方で、こういった状況で行動するのは危険と判断し、ハイマツの中にかなり無理矢理テン張れそうなスペースを見つけたので、今日はここにテン張り、停滞することにする。辺りはガスがかかっていて、現在地を正確に把握することは出来ない。しかし現在地は斜面が北東に向かって上りなので、稜線の西側であるということぐらいは分かる。稜線を目指して上り続けた筈だが、どうやら稜線を越えて稜線西側に出てしまっているようだ。それにしても、今日は寒~い!!
【今日の行動】 (使用した行動水:1㍑弱)
ウィーヌプリ手前640mピーク手前コル北東570m付近=C9(?)→ウィーヌプリ手前640mピーク手前稜線西側600m付近=C9' (?)
*具体的に何時から何時まで行動したかは不明だが、行動時間は2時間だった。
8/21(水) ≪合宿13日目≫ 天気:雨&猛ガス&強風
今日もとてもじゃないが動けるような天気ではない。外の様子はと言うと、天気もガスもひどく、視界は明らかに100mはなく、せいぜい数十mと言ったところだろうか。ラジオによると、台風13号が温帯低気圧になり、それが発達していて、しかもそれが千島列島の南東辺りで停滞しそうだということである。明日も天気は良くないらしい。それにしても寒い。ラジオを聞きながらシュラフカバーに入って寝るしかない…。この夜、思わずオードブルフルコースを食いしごいている夢を見てしまった。
8/22(木) ≪合宿14日目≫ 天気:雨&猛ガス&かなりの強風
引き続き雨・猛ガスのため停滞。ラジオでは今日の夕方頃からこの天気は回復に向かうと言っている。今年の北海道はどうやら冷夏らしい。玉ねぎの出来も悪いらしく、日照率は例年の53%ということだ。そして、昨日大雪山系黒岳では初冠雪があったらしい。(←全て今日のラジオからの情報。)夏なのにこんな寒さ、もうイヤだ!!明日こそは良い天気になって欲しい。早く岬へ、いや、まるみに行きたい!!
8/23(金) ≪合宿15日目≫ 天気:ガスのち晴れ
朝起きるとガスってはいるものの、雨・風は止んでいて何とか動けそうな感じなので、岬を、そしてまるみを目指し出発することにする。と言うか、予備日を使い果たしてしまっているので動かざるを得ない状況にあると言った方が正確かもしれない…。現在地は斜面が北東に向かって上りなので、稜線の西側であるということしか分からないが、ひたすらこの斜面を1番上まで行けば640mピークにたどり着けるので、登り続けることにする。当然こんな所に踏み跡なんてあるわけないので、本当の意味でハイマツ漕ぎである。3日間も停滞していたので体が鈍っており、慣れてきている筈のハイマツ漕ぎが結構辛い。45分程上り、無事640mピークに到達する。640mピークから先、岬までは踏み跡&赤テープ(時として赤が色褪せたテープ)が続いているのでそれを辿る。
まず、640mピークからウィーヌプリにかけてであるが、ほぼ稜線上に赤テープがついていて、踏み跡もしっかりしているので、特に困難はない。
ウィーヌプリの下りは、稜線の西側の10~20m下を稜線と平行に進む踏み跡があるということだったのでそれを探したら見事にあったので、それを辿る。この踏み跡は稜線すぐ下のハイマツ帯のすぐ下の広葉樹林帯を進む。途中、ウィーヌプリ先のコルの辺りで1回稜線に出てみたが、依然としてハイマツが続いていて歩きづらそうだったので、もう少しその広葉樹林帯を進むことにした。そして602m手前ピークに上がり(←急斜面です。)、そこからは稜線上を歩いた。
602mに着く頃にはだいぶガスが薄れてきて、時折晴れ間も見えた。頼む、晴れてくれ!と願いながら、先へ進む。毎年のことながら、ジャニーは案の定424m方向に延びる尾根に吸込まれていった。よ~くコンパスを見ましょう。そうすればきっと大丈夫。それに、岬へ続く稜線と424m方向に延びる尾根とで沢地形を成しているので、自分の右側に沢地形が見えたら間違いだと思えば良いだろう。
そして516mに着く頃には、完全に晴れた。我々は何てラッキーボーイズなんだろう。(とこの時は思っていた…。)516mの急斜面の下りは稜線東側に踏み跡があったので、それに習って進んだ。昨日までの雨で足元がかなりぬかるんでいて、滑りまくりだ。
412mから先は時折海が両側にかなり間近に見え、テンションがかなり高まる。稜線上を進むのは176mまで。あとは岬を目指し、森の中を北に行くだけだ。地図上にもある通り50m~100mにかけての急斜面は注意が必要だが、今までのハイマツ漕ぎなどに比べればかわいいもんである。
そして突然(←本当に突然なのでビックリです。)視界が開け、草原が広がっていて、その先には岬が見える。思わず目が潤んでしまう…。計4日間沈殿していた我々にとっては夢のような世界である。そして、この合宿の辛かったことを忘れてしまいそうになる。(そんなことはないか。)気分的には海にダイブしたいところだが、風がかなり強く、寒い。もう、知床には秋の風が吹いていた。例年ここで雲丹を採っているのが信じられない。
長居したいところだが、日程的に時間が押しているため、写真を何枚か撮り、一休みしてから赤岩を目指す。江尻さんの報告書に電波塔横の階段から下りると良いと書いてあったのでその通り下りると、海沿いの切り立った岩に直面し、結局上がらざるを得なくなった。やはり海に下りるには、灯台横辺りの崖から下りるのが正解のようだ。
海岸線を1時間30分歩き、赤岩到着。白旗の上がっている長谷川さんの番屋から無線で船を呼んでもらおうとしたが、台風13号による荒波の影響で、海に立ててある長谷川さんの無線が壊れたため、相泊の熊の穴の船長さんと連絡が全く取れない状況だと言う。そして台風13号によって壊されたものは無線以外にも沢山あり、そちらの修復作業の関係などから明日も明後日も船は出せないだろうと言う。(1番大きな原因は無線が壊れたこと。)素人の目から見ても今日は波が高くて船は出ないだろうとは思っていたが、まさか明日も明後日もでないとは…。仕方がないので、明日ここから相泊まで歩くことにする。今日は長谷川さん宅の倉庫で寝させていただく。ソーメン・漬物・鮭…などをご馳走になる。ありがたい。
【今日の行動】 (使用した行動水:約4㍑)
ウィーヌプリ手前640mピーク手前稜線西側600m付近=C9' (5:45)→ウィーヌプリ手前640mピーク(6:30~6:40) →ウィーヌプリ先コル(8:40~8:55)→602m(10:00~10:20) →516m(11:45~12:10)→412m手前ピーク(13:25~13:40)→知床岬(15:50~16:30) →赤岩=C10(18:00)
【水場・テン場】
水 メオトタキ川源頭
テ 516m先コル、知床岬
8/24(土) ≪合宿16日目≫ 天気:くもりのち雨
本来なら船から眺める筈の海岸線を歩く。何てアンラッキーボーイズなんだろう…。食料は当然ギリギリなので、何としても今日中に相泊まで行かなければならない。しかし、合宿で一応ゴールした後に石でゴツゴツした海岸線を歩くというのは、何にぶつけていいかわからない怒りが込み上げる。
基本的には海岸線を歩くだけなのだが、我々が歩いたペキンノ鼻先の番屋まで計4ヶ所の高巻きがあった。まず、カブト岩の巻きである。カブト岩の手前から崖を登るようにして踏み跡がついているので、すぐに見つけられる。10~20m登ると残地ロープがあるので利用する。かなりの急勾配な上に、足場がしっかりしていないので、ほぼ腕の力のみで登るようなものである。50m程登り、踏み跡なりに下る。最後の方は沢筋を下った。
それが終わると、次は念仏岩の巻きである。これは巻きの上り・下り共に残地ロープを利用した。ここの巻きもカブト岩の巻きと同様にかなりの急勾配な上に、足場がしっかりしていない。上りは途中で左に巻き道が折れる。この折れる所を境にしてロープが2本に分かれているというわけではない(補助的に左に巻き道が折れる所の上からロープが垂らしてはあるが…。人によっては1本目のロープと補助的に垂らしてある2本目のロープの両方を使わなければ登れないという人もいるかもしれない。)ので、(ロープを用いる巻きでは何処でもそうだとは思うが)ここの巻きでは特に、前の人が通過したのを確認してから次の人が進むようにしなければならない。
それからしばらくは海岸線歩きが続く。ペキンノ鼻の手前の巻きは、1/25000地形図「知床岬」で言うところの、ペキンノ鼻の北西に"7.4 "と書いてある直近(ほぼ真南)の2軒番屋がある所の脇から延びる踏み跡がある。ここの巻きはカブト岩や念仏岩の巻きに比べれば勾配はそれ程きつくない。だから当然残地ロープはない。途中トラバースする箇所があり、そこはちょっと恐いかも…。まぁ、慎重に行けば大丈夫なところだ。
ペキンノ鼻の巻きは、大したことない。崖でもなんでもなく、ただ斜面を踏み跡に沿って登り、降りるだけだ。
降りると、トップを歩いていたオトゴツがあり得ないぐらい遠くにいる。なぜだろう?と思ったが、よ~く見ると番屋があり、そこには人がいて、おまけに船もある。そしてオトゴツは、早くこっちに来い的なジェスチャーをしている。俺がそこに着いた頃にはオトゴツとジャニーがすでに話をつけており、我々を乗せて行ってくれるということだ。この時は、岬に着いた時とはるぐらいの感動ものだった。決して忘れることない、その船は"大輝丸"。てっきり相泊まで乗せてくれるものだと思っていたが、羅臼市街と相泊との間で台風13号の影響で崖崩れがあったため、道路がそこで通行止になっているので、そこより羅臼市街寄りの知円別の漁港(←1/25000地形図「硫黄山」で言うところの、チエンベツ川河口にある漁港)まで乗せて行ってくれるということになった。¥5000/人。荒波の中約1時間、船に揺られた。尻を強打し、痛いが、あそこから相泊まで歩くことを想像すれば、その痛みは消えていった(気がした)。
知円別に着き、おじさんに礼を言いながらお金を払うと、おじさんに「これから何処に行くんだ?」と尋ねられたので、「まるみです。」と答えると、何とおじさんは我々をまるみまで車で送ってくれると言う。すっげーいい人だ。お言葉に甘えておじさんのトラックに乗せてもらい、まるみへ。
まるみに着き、おじさんに深々と礼をし、予約なしでまるみにイン。2週間も風呂に入っていない激臭を放っている体で一般のお客さんに混ざって食堂でまるみの美味しい美味しい夕食を食べるわけにはいかないので、風呂に入ることにした。その後は羅臼の海の幸の食いしごき。気付いたら食堂でつぶれていました…。
【今日の行動】(使用した行動水:記録していませんでした。)
赤岩=C10(4:45)→カブト岩先(6:30~6:45)→滝ノ下(8:25~8:40)→滝川河口とペキンノ鼻の中間地点付近(11:05~11:25)→ペキンノ鼻手前(13:00~13:15)→ペキンノ鼻先の番屋(13:45)
8/25(日)
今日も朝から食べまくり。昨夜あんなに食べたのに…。
まるみの料金の内訳は、"宿泊代"¥6800・"夜の食堂でのビール代"¥600・"入浴税"¥150(内)+消費税。全員の合計は¥39600だったので、結局1人当たり¥7920である。フロントで会計を済ませ、8:15に羅臼営業所を出発する釧路駅行きの阿寒バスに乗ることにする。まるみの前の国道に出て、まるみの女将に言われた通り手をあげたら、本当にそのバスは止まってくれた。このバスは営業所から10分ぐらいでまるみ前に来る。釧路駅まで約3時間半、¥4330で到着。そして駅ビルで昼食後、駅で解散。長~い長~い夏合宿が終わった。みんな本当に、お疲れさん!
この合宿の目的「厳しい自然に負けず、シレトク(地の果て)を目指し、自分を向上させる!」は、充分すぎるぐらい達成できたのではないだろうか。
あとがき
この合宿では何と言っても、ルシャ山の下りについて反省しなければならない。当初の予定通りのルートを行っていれば、ルシャ川に100%出れたかと言うと、そのルートは実際に行っていないのでその自信はない。しかし、僕が問題にしたいことはそういうことではなく、次の2つである。まず1つ目は、ルートを変えて693m付近を目指そうとしたのは良いのだが、その判断基準の1つに、693m付近が見えたからということがあったことである。たとえそのとき見えたとしても、693m付近に自分達が着くまでずっと晴れていて見えるという保証はどこにもない。その辺りは一面ハイマツ帯であるわけだから、見た目より歩く(漕ぐ)のに時間が掛かるということも分かりきったことである。そして実際に途中からガスってきて遠くの視界が利かなくなった。そういった意味で、リーダーとしての咄嗟の判断に冷静さがやや欠けていたように思う。次に2つ目は、読図力のなさである。これは、現在地確認の力が足りないということにも繋がるのかもしれないが、C3'を出発後、あれだけ長い時間現在地確認をして、どこを行けば無事ルシャ川に出るというところまで考えたのに、見事ポンルシャに出てしまった。結果的にポンルシャの下降は危険箇所がなかったのでホッとしたが、これで超危険な高巻きなんぞあったら、大変なことになっていて、敗退という事態も有り得たわけであるから、運が良かったとしか言いようがない。今後知床に行かれる方へ、我々が歩いたところより上流に関してはわかりませんが、ポンルシャも十分歩けますよ。
さて、反省はこれぐらいにして。今回の夏合宿では色々とハマってしまった。始まって早々岩尾別温泉でテントを張らせてくれなかったり、羅臼岳ピークからは何も見えなかったり、…と数え上げればきりがないが、最も大きかったのは何と言っても台風13号から発達した温帯低気圧が千島列島の南東辺りで停滞していたことにより、我々も3日間停滞するハメになり、さらに赤岩からペキンノ鼻まで歩かなければならないことになったことだろう。みんなには辛い思いをさせてしまったが(←別に俺がそうさせたわけではないが)、よくぞ頑張って完走してくれた。(小さな怪我をした奴は当然いたが)誰1人大きな怪我や病気をすることもなく、リーダーとしてはメンバーのみんなに非常に感謝している。ありがとう!
最後に、予備日4日間をフルに使ってしまい、在京の江尻さんをはじめOBの皆さんや、家族などには多大な心配をかけてしまい、大変申し訳ありませんでした。
メンバーの感想
水口 陽介 2年 『感想('02夏合宿 知床縦走)』
先ず最初に陳謝。心配させてしまった皆さん申し訳ございませんでした。
そして皆さんに感謝。特に船を見つけ、必死に走り出してくれたオトゴツさんに感謝。おかげさまでなんとか遭難対策本部が動き出す前に下界に降り立つことが出来ました。
この合宿は始めっから調子がよくなかった気がする。僕は僕で測量合宿でハマってほとんど眠れないままC0に突入したし、他のメンバーは他のメンバーでテントを忘れてるし、ホテル地の涯の職員らしき人に駐車場追い出されるし(これに関しては仕方が無いとも思う。熊さん達は下の方にたくさんいたらしいし・・・)。
なんだかんだあったようななかったような感じで無事C2までは終わった。翌日もハマりはしたが、まだ精神的に余裕があった。次の日からが大変だった。妙な沢筋に入るし、脱出したと思ったらポンルシャだし・・・。しかもポンルシャに関するデータはなく、ポンルシャは穏やかではあるが、いったん天気が悪くなると最悪の状況がやってきそうな雰囲気を漂わせていて嫌な感じだった。その日は天気は悪くなかったのであまり心配はしなかったけどもし途中で天張ることになったらと思うと気が気ではなかった。
熊さん親子に恐怖をおぼえたり、大ハマリしたり、予備日の行動食がないことに驚いたり、墜落して腰を打ったりでとりあえずC9。天図を見ると台風がもうやってくるみたいだった。次の日岬に着かなきゃまずいなと思って翌朝猛ガスの中でっぱ。現在地をロストして天候もどんどん悪くなり、こりゃ停滞した方がいいと考え這松達の隙間のスペースで天張る。このときは翌朝は動けると個人的には思っていた。テントに入ってラジオを聞いているとその希望は打ち砕かれ、結局三日間もテントの中でじっとしていた。テントの中で考えていたことは、主に冷たい、重たい、腹へった、の三つだった。寝る場所はテントの壁際だし、天張った場所は結構な傾斜でその下の方で寝ることになったし、夜は特に呻き声をあげずにはいられなかった。
そして、台風もようやく停滞をやめてくれて、翌日降りられるという夜、いつも以上に圧縮されていた。さすがに少しは寝ないとやばいと思い、隣で安らかに眠っているオトゴツ君を押しのける形で眠ろうとした。案の定オトゴツ君は起きて二人の地味な戦いが始まり、いつのまにか就寝。どうやらちょっとは眠れたらしい。
翌朝も猛ガス。一応天候は回復傾向にあるらしいので、でっぱ。とりあえず上を目指す。噂のウィーヌプリでは岬が見えず、気分もあまりよくなく必死で先に進む。しばらく先に行ってからようやく晴れてきた。やっぱり海岸線や船が見えると嬉しくなる。気が急くのを何とか押さえて慎重に進んでいく。背中の傷がザックで擦れて痛い。足の裏も何故か全体に痛い。パッキングにも失敗していて余計に疲れる。何とか晴れた岬に着。ここでようやく気分も晴れやかに。赤岩に着いて愕然。そして足が痛い理由に気づく。3日間の停滞で履きっぱなしだった靴下が乾かず、異常に足の皮膚がふやけていた。とりあえず番屋で足を乾燥させてテーピングをガチガチにしてみた。
足の調子もそこそこ戻って、海岸線を歩く。数時間が経って、これは間違いなく遭難扱いだなと考えていたら、すばらしいタイミングで船が上陸していた。時化の海で船に乗るのが辛いというよりもむしろ楽しかった。しばらくは何でも楽しいものに見えていたが、いいかげん辛くなってきた所で、港に着いた。まるみにまで送ってくれたあの人に感謝。
一応この合宿は成功だったのではなかろうかと思う。まとまりのない文章ですが、以上で夏合宿の感想とさせていただきます。
押野 翔一 2年 『夏合宿の感想』
夏合宿をふりかえって、一番最初に思い出すのはハイマツのことだ。この部に入ったときから知床のことはいろいろ聞いていて、中でもハイマツについては毎年苦労していたと聞いていたので、それなりの覚悟を持って知床に向かったのだが、実際にハイマツ帯に入ってみてはじめてそのすごさがわかった。ハイマツの枝が生い茂っていて先のほうまで見えない中を進まねばならず、地面に横たわっている不安定な幹の上を歩くので時々滑って足をぶつけたり。ザックに枝が引っかかって後ろに引き戻されたり。跳ね返ってきた枝が顔にぶつかってきたことも何度かあった。しかも今回の合宿では天気の悪い日が多く、ぬれたハイマツの中を進まなくてはならない日もあった。さらに台風がやってきて三日ほど停滞しなくてはならなかった。何もすることがなくただじっとしているのはかなりつらかった。最初は天気予報を聞く限りでは、次の日にでも行けそうだったのに、台風がなかなか去らず結局三日もいることになった。この間に腕をダニに喰われてしまったので、もしここで停滞していなかったらと思うと残念だ。ただ唯一の救いは最後、岬についた日が晴れだったことだ。その日の朝はまだ風が強くガスっていたが、歩くにつれてだんだんと明るくなり、ついに雲の切れ間から海が見えたときは久しぶりに見た青い色に感動した。その後岬についたころには青空が広がっていて今までの苦労が報われたような気がした。この景色を見て知床に来たかいがあったと思った。
玉田 悠貴郎 1年 『ワンダーフォーゲル夏合宿IN知床』
今回、ワンゲル1年として始めての夏合宿に挑んだわけですが、非常に内容も濃く、1年目の自分としてはいろいろ勉強になったと思います。合宿前にOBの方から「知床はハイマツが多いから、山靴で行くと辛い」と聞いて無謀にも運動靴で挑んだのですが、やはり木の上では足の裏の感覚が大事ということもあり、結構快適に過ごせました。その反面、石の多い海岸や山道では足首が固定されてないということもあって、結構足にきました。
終わってみて思うのは天気です。去年のパーティーはほとんど晴れていて予備日も使わずに非常に景色も良かったらしく、自分も合宿前は晴れればいいなと思っていたのですが、そうはいかずガスった日が大半で、羅臼岳の頂上ではほとんど視界ゼロで残念でした。そして、とどめはやはり台風から変わった温帯低気圧がもたらした雨で、「1日ぐらいで止むだろう」と思っていたのが間違いで、3日間も停滞してしまい、その間あまり食べなかったせいか、妙に昔の事とかを思い出したりして、「このまま無事に帰れるだろうか」と生まれて初めて命の心配をしました。
また苦しいことが多かったのですが、やはり力の源になったのは、下山すればマルミ旅館で旨いものが食えるといいう欲望が大きかったと思います。岬に着いたときも、達成感よりも「これで帰れる、旨いものが食える」という食欲が先走っていたような気がします。
最後にこのような長くて辛い合宿も終わってみると、非常に有意義でこれから生活していく上で、ためになることが多かったような気がしました。この合宿で得た経験を糧にして、これからの部活動を意味あるものにできればと思います。
深野匠 1年 『夏合宿の感想』
私はすごく楽しみでした。様々な先輩方の話を聞くにつれてその日がくるのがまちどおしかったです。なんていったって水がのめなくなったり、食料が食べれなくなったりしてやせていくし、10日間、縦走をするのだから大変だし、つかれるだろうし、おまけに野生の熊をみれるのだからです。でも一番の楽しみは、はいまつたいを進むことと、番屋の人の舟にのれることでした。
C8までは、1度だけおくれてしまいましたが、そんなことは知らないように、じゅんちょうに行程をこなしていけました。C9の手前あたり、どんようしていて、今にもふりだしそうな雲からとうとう雨がふりだしてしまいました。幸いささたいを進んでいたため少しいったところでよいテン場がみつかりそこにテントをはってねました。そしてはりきっておきて、行動を開始したのですが、あまりにもすごい風とガスのこさによって2時間ほどすすんだところでむりやりテントをはり、そこでびゅうびゅうふきあれる風とかなりこいガスがはれるのをまっていました。いつはれるのかなあとか明日こそはと思っていたのですがなかなかいっこうにはれませんでした。テントの中は非常にせまいということはなれていたのですが、はれるまでのおよそ3日間、ねたっきりのおじいさんのような状きょうでいるのは、かなりがまんが必要でした。でも私はこのとき、かなりこの状きょうを楽しんでいました。そうしているうちにおよそ3日間がたち、行動することができ知床岬までじゅんちょうに進んでゆき、そこでゆっくりし、海岸を歩いていくうちに、波が非常にしけているので、舟にはのれないなあと思っていたら、やはりのれず、次の日は海岸を歩いていくことになりました。行動食や前の日の夕食を番屋の人にめぐんでもらい、希望と感謝の気持ちをもって、はりきって歩きだしました。最後の最後で運がまわってきて、船泊だと思うのですが、そこの番屋の人に舟をだしてくれたばかりか、らうすのたしかまるみまで送ってもらい非常にうれしかったです。
この14日間は非常にたのしかったです。いろいろな技術をみにつけれるし、体力もつくし、精神力もつくし、本当に最高にためになりました。
関係連絡先一覧(2002年夏現在)
*フェリー *斜里での食料買い出し
商船三井フェリー(東京) 03-5501-1855 しゃりフードセンター 01522-3-2507
商船三井フェリー(大洗) 029-267-4133 Aコープしゃり店 01522-2-3456
商船三井フェリー(札幌) 011-261-6321 *知床斜里駅→岩尾別温泉
商船三井フェリー(苫小牧) 0144-34-3121 斜里バス 01522-3-3145
*地元警察 斜里ハイヤー(13台) 01522-3-2100
北海道警察釧路方面釧路警察署 0154-23-0110 知床ハイヤー(5台) 01522-3-2010
北海道警察北見方面斜里警察署 01522-3-0110 *ウトロ→岩尾別温泉
*熊情報 ウトロ観光ハイヤー(4台) 01522-4-2121
知床自然センター 01522-4-2114 *知床自然センターからのシャトルバス
羅臼ビジターセンター 01538-7-2828 斜里町役場環境保護課 01522-3-3131
*苫小牧駅へ 環境庁ウトロ管理官事務所 01522-4-2297
苫小牧市営バス 0144-36-5151 *合宿後の宿
0144-55-4141 民宿まるみ 01538-8-1313
*札幌から網走行き直通バス *まるみ→釧路駅
中央バス予約センター 011-231-0600 阿寒バス(羅臼) 01538-7-2046
阿寒バス (釧路) 0154-37-2221
*フェリーに関して、絶対に2ヶ月前(の同じ日)に予約を入れるようにしましょう。今年の夏合宿はT畑がはっきり辞めると言わなかったり、ひろしが夏休みに中国に長期旅行に行くと言ったり、のぶよが白神に行くと言ったりで、何人分のフェリーのチケットを予約すれば良いのかがなかなか確定せず、希望の日に予約が取れなかった。今後はそういうことのないように!
*苫小牧から知床斜里までの移動手段に関して、我々は根室本線を経由したが、石北本線経由の方が少し早い。また、苫小牧から札幌まで行き、札幌から網走行きの高速バスに乗り、網走からJRで知床斜里に行くという手もある。これなら確実に移動日を1日縮められる。北海道観光は合宿後、と割り切って考えるのならお勧めのルートだ。
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