| 99年度 南アルプス・白峰三山報告書 |
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| 作者 田宮 | |
| 1999/08/21 Saturday 00:00:00 JST | |
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8月21日 雨、ガス 夏だ!稜線を歩かねば!と、北アルプスの縦走を計画するが、前日までの様々なアクシデントにより時間が無くなり、アプローチの短い南アルプスへと泣く泣く変更する。とりあえず稜線を歩きたいのである。場所に付いてはあまり問わない!というちょっと間違った姿勢では有るが・・・・。それでも更に失態は続き、前夜発、甲府STB、それから始発のバスで向かう予定だったのを急遽変更して朝5時40分、北朝霞駅集合となる。9時10分甲府発広河原行きのバスに乗り、11時丁度に広河原に着く。各々満ポリ2本を担いで11時20分行動開始。 はっきりいって天気は悪く、ガスり気味。しかも日没までに北岳山荘に着かねばならないけど今日は1500UPだぁ、うっわぁ~・・・・という妙な焦燥感と不安を、登るにつれてガスから霧雨、雨と移行していく天気が後押しする。もういやん。北岳ピストンでこの運動不足人間には充分です。うぅうぅ。などと密かに悪態をつきつづけながら2本で二俣着(1時25分)。途中、登山道崩壊の為に二五万図では沢の左岸を行っているはずの登山道がかなりの距離を右岸への迂回路に変更されていて、その部分は地図とは異なっている。しかし少なくとも6年前に私が来た時からこの迂回路が大活躍していたから、きっとこれから後も登山道は補修される事はなく迂回路がいつかそのまま正しい登山道になってしまうと思われる。まぁどうでもいいんだけどね。これでもかこれでもかとマーク着いてます。 二俣から先、みんなして肩の小屋方面へ向かっていくので一気に周りの人が減る。ひょっとして11時広河原着のバスで北岳山荘へ向かうのは無謀なの???と不安は更に激化、しかしそれからの登りで早速ややばて状態となった私は幸か不幸かそれ以上の事を考える余裕が無くなる。二五万図でいう「鳳凰山」から「仙丈ケ岳」の切れ目あたりから八本歯の稜線に出るまでも地形図と登山道が合わない。沢を詰め切るのではなく、途中から尾根に強引に突き上げて、それから主稜線に出るまで親切な階段というか手すり付き梯子というか、そういったモノが塔の岳の階段を思わせるようにひたすら設置されている。最近できたものらしく木が新しく、これらに助けられながら新養よろしく牛歩で高度を稼ぐ。今は新しいから良いかもしれないけど、古くなってきて信用置けなくなってきたら、ちょっと面食らうような急登である。時折後ろから「抹茶ミルク」だの「ビールぅ」だのといった声が聞こえる。幻聴と決め付けることにする。 ガスの中冬尾根の分岐に 時 分 着。ほとんど完ばての田宮はそれから八本歯までも半牛歩で進む。あぁ、トレーニングは重要です。けど厳しいのは稜線に出るまで。北岳山荘へのトラバースルートに入るとお花畑となり、それまでの牛歩を忘れ写真を撮りながら北岳から山荘への道との合流点に5時着。ここで気が緩み、大一本。結局北岳山荘に着いたのは6時ちょっと前となった。時間が無いので北岳ピストンはあきらめ、テン張り、飯を食う。9時近くになって外へ出ると満天の星空である。明るすぎる月に驚愕し、天の川と流れ星を見て就寝とする。山荘に何も言わずに張ったが何も言われなかった。よってテン場代はタダ。
3-5でっぱのつもりが寝坊、気がつけば4時。外を見るとちょうど夜明けである。日の出の前後だけガスが晴れ、久々の、まさに「稜線の朝!!」を満喫する。そうよ、これが見たくてここまで登ってきたのすぁ。と日の出を拝みながらコーヒーを飲み、5時55分でっぱ。北岳山荘で水を汲もうと思っていたのだが、北岳山荘から水場までは往復1時間半だとか。でっぱ時点で残りの水が満ポリ2.5本分あったので農鳥小屋で汲む事にし、ガスの中、間の岳へと向かう。単調である。ガレガレの道を中白根までだるだる登って、ただひたすらにだるだる歩く。話題は何故か泳げたいやき君のテーマとなり、それから先はエンドレスで「たいやき君」が頭の中を流れていたが、まぁいい。間の岳で一本(7時15分から35分)、展望無し。間の岳から西農鳥の間のコル(農鳥小屋)でいきなり晴れる。西農鳥でもわずかに晴れていたが、塩見は基部しか見えなかった。その他は基本的にガスガスであった為、雷鳥の親子にであってちょっとエキサイトしたほかはあっさり和風味、モノクロ水墨画の世界。やっぱりちょっと物足りない。10時50分、稜線に別れを告げ、大門沢へと下り始める。大門沢小屋には2本で12時50分着、一番乗りであった。ここはテン場に入る前に小屋の親父がチェックインを迫ってくるので、小屋での闇テンは出来ず、(沢に出てしまえばテン場はいくらでも有りそうであったが)一人400円づつ払う。けど、農鳥小屋では水1リットル100円であったのに対し、大門沢小屋では汲み放題。日常ではあたりまえの事だが、ありがたい。ガソリンより高い水を捨て、冷たい水で冷やしたビールを開け、生卵入りラーメンも食いおわり、フルーチェも食べちゃってうぅ、暇。とか思っていると沢方面から谷口さんが「バール!バール!」といいながら嬉しそうに小走りでかけてくる。水を張ったバールへ放したそれは、山椒魚であった。知床沼以来だ。エラが有るぞ、ちゃんと後ろ指は5本で前の指は4本だぞ、ちっこい爪が正しくついてる、にしきのあきらみたいな(?)謎のヒレも付いてるし、さらにきちんと頭がでかい!そりゃぁ山椒魚は悲しんじゃうでしょう、と雷鳥以上にエキサイトしてしまった私は谷口さんと一緒に石をひっくり返して更なる山椒魚を探しまくり、結局二人で計7匹捕まえてしまう。せまいバールの中で7匹の山椒魚がくねっている姿は壮観、というか縁日のどじょうすくいのようである。途中でついでに捕まえた川虫を山椒魚バールに入れてみると、なんとあのとろい山椒魚とは思えないような敏捷さでぱくりと捕まえて食べてしまうではないか、大感激。山椒魚を探しているのか川虫を採っているのか判らなくなってくる。山道の途中でしょっちゅう一緒になったおばさんも巻き込んでしばし夢中になり、気が付くと日没近い。彼らを川へと戻してから夕飯とする。 夜、ウィスキーを飲んでいると遠くで雷が鳴りはじめた。雨の気配は全く無く、外へ出て、形容するならば「竜の巣」の中のような稲妻を見物していると雷を内包した雲がまっすぐこっちへ触手を伸ばしてきて、ざわざわと頭上の星空を覆っていく。稲妻がどんどん近づいてくるようで、恐い。けれど美しい。光量が並じゃないがインコヒーレント光である。(おっと、ナベ研ネタ)。山並の向うの富士山の上に大きなきのこ曇が出ていて、はげしい上昇気流があるのが判る。しばらく眺めていたが、少し収まってきたのでおそらくこっちには落ちないであろうと思い込み、雨対策を万全にして就寝。
今日こそ寝坊しないと思っていたのに起きたら5時半である。小屋泊りの人々はもうでっぱしてしまったらしく、小屋周辺は既に静かであった。朝飯の白米で作ったしゃけ雑炊はかなりイケていた。腹持ちも良いし、お米が美味く炊けなくてもまぁそこそこいけるのでオススメ。コーヒーを飲み、9時半奈良田発のバスに間に合うように6時半でっぱ、昨日からの下りで既にももがパンパンである。あぁ、トレ不足。高速道路をどんどこ下っていくが、吊り橋が連続するあたりで中高年登山者による旅行会社主催白峰三山縦走ツアー参加者26名軍団に行く手を阻まれる。吊り橋は一人づつ渡らねばならないので、おじちゃん・おばちゃん方が渡っているのを待っている間ニコニコ愛想を振り撒きつつも心中かなり穏やかではない。吊り橋を二つほど渡ったところで「スイマセン、スイマセン」(注:まったく心がこもっていないのがばればれ)を連発しつつ26人ゴボウ抜き。小屋から二時間歩くか歩かないかのうちに車道に出る。そこからはアルペンガイドによれば奈良田バス停まで40分、ん~、バスには間に合いそうね。一気に気が抜け、トカゲを追っ掛けつつ奈良田9時着。バスに乗り(1700円くらい)、身延に11時過ぎに到着。駅にザックをデポしてバスで身延温泉に行き、帰ってきてから駅前の定食屋(ここのランチ(注:月~金のみ、880円カツライス・蕎麦セット)は良いぞ!!!!)で打ち上げて、青春18切符で鈍行を乗り継ぎ、富士で乗り換え東海道線経由で海を見ながら帰路に着く。 トレ不足実感しました。けど、短いながらも生き物に沢山出会えた良い山行でした。惚れ直したぞ、南アルプス。でもこれからはちゃんと計画書を提出してから行くようにします。反省。
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| 最終更新日 ( 2007/12/02 Sunday 13:42:36 JST ) |
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