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01年度 奥多摩 小川谷犬麦谷 プリント メール
作者 小野   
2001/05/20 Sunday 00:00:00 JST

参加者

 OB 小野 賢二
   江尻 誠  
  香西 繁範
 池田 真行


 5月某日   快晴

五月中旬、一年以上ご無沙汰していた野田ワンゲルの新歓コンパに出席した事をきっかけに現役の江尻、香西 、ノブヨシと沢に行くことになった。当初は森林総研の同僚も沢登りに参加する予定だったので、惣角沢を予定していたが、彼が突如都合が悪くなった事からグレードをあげて犬麦谷を山行地とした。江尻は昨年の事故以来の沢で、且つ事故にあった沢で特別な想いと緊張があったようだが、事故以来。再び沢と向かい合おうという江尻の気持を買って敢えて犬麦谷とした。
朝4時半。目が覚めてカーテンを開けると外は快晴だった。早速車を飛ばして野田へと向かう。朝六時に部室に集合、全員ここでピックアップして奥多摩へと向かった。8時20分、日原鍾乳洞の駐車場に到着。駐車場の係員が言うには、駐車場より奥の林道は駐車場より奥の林道は、道路方面の補修整備工事のため通行止めとか。それでも取りあえず行けるところまで車で乗り付けようと言うことで、更におくに向かう。二キロほど行ったところに小川谷林道のゲートが現われる。ゲートには鍵がかかっていない。<昨年、香川さんと来たときは、このゲート先は、岩の崩壊で、車でははいれませんよ。でも犬麦谷出合までは20分ぐらいです。>という江尻の情報と先にカペラセダンでゲートにはいったにーちゃんの<この先100mは岩の崩壊地で、車は入れませんよ。>という助言によりゲート前に車を止めそこから約10キロ林道を歩く。しかし、ゲートから歩いても歩いても。道の崩壊は見当たらない。他の車が入ったタイヤのあとは見られる。結局この立派な林道をずんずん歩いていく中で、入渓点ちかくの広い駐車スペースまで車ではいれることが判明。この1時間強の林道歩きは何だったのだろう?、ねえ。江尻君。(準備体操です。)とはいえヤマアジサイ。ヤマツツジなどの赤白の花々、ブナ、ミズナラなどの新緑、ホトトギスやセミなどのさえずりなどに迎えられ、心地好い林道歩きではあった。

木々の新葉の間から降り注ぐ光のした、歩くこと90分、10時30分AM、犬麦谷入渓点に到着した。ここで、沢足袋に履替え我々は早速入渓した。犬麦谷は入渓直後からキツイ傾斜であり、そのすぐ先いタツマの滝3段50mが現われる。なかなか見事な滝である。左壁中程に咲いていたヤマツツジが、また、渓の美しさを引き立てる写真を撮影後、左岸より高巻く。事故後初めての沢ということもあり、江尻は高巻きの高度感にびびっているようだ。ノブヨシもワンゲル入部以来初の沢でありその高度感にびびっていた。びびる余り足の一歩一歩に重心を乗せきれていないため二人ともかなりの落石を繰り返し、それにはかなり閉口した。我々の後に入渓者がいなかったのは幸いだ。高巻きのあと沢に復帰する。その後もゴルジュのナメ滝が連発して現われる。次々と滝にへばり付き、のっこして沢歩きを楽しむ。そうしていると入渓より一時間、問題のF4が現われる。(11:40AM)。江尻は昨年滝の左より滝中部のテラスを渡り、滝上部の水の落ち口付近でシャワークライム中に滑り転落した。あの角度で、テラス上でアンカーを取ったとしても滝の落ち口から転落した場合、かなりの距離を落ち、落ちた体が大きく振られる事が予想される。沢登りの判断の誤りの危険性を再度認識させられる。
江尻は一年ぶりにこの滝と対面し、幾分緊張しているようだが、その先にあるものへ胸をときめかせていた。取りあえず一本取り一息着いた後、早速滝にとりついた。右の巻き道はしっかりしていて楽に登れそうだが、このたきは是非登りたいところだ。今回は残置ハーケンを利用しランニングビレイをとり、香西がトップで、滝右の壁を登った。以後は、香西が滝上部より確保し、各自、思い思いのホールド、スタンスを使って、滝に挑んだ。今回沢登が初めてのノブヨシは、この滝にずいぶん苦しめられていた。30分程格闘が続き、ようやく滝上部に達した。岩に必死でへばり付き、手足の筋肉をプルプルと震わせているノブヨシの後ろ姿はなかなか乙なもので必死でいたノブヨシには申し訳ないけど、爆笑してしまった。一度どうしようもなくなって落ちたが、ザイルを張っていたため、ほとんど距離を落ちることなくその後すぐに滝との格闘に復帰することができた。F4の上部は再びモリノ窪爆流帯のゴルジュとなり、楽しいコタキが続く。積極的に濡れていくと楽しさは倍増だ。

1:35pm、F6に着く。両岸とも壁がせり立ち、水線間際を攻める。シャワークライムで全身はびしょ濡れ。視界が妨げられ、スタンス、ホールド、は手探りとなるが、スタンス、ホールドはしっかりしており、安心して登ることができた。滝の落ち口はチョックストーンになっており、少々ハングしているが、残置ハーケンに助けられ、たきじょうぶにでた。滝上部より、確保を取り、江尻、香西、ノブヨシの登攀を待つ。みんな、びしょ濡れになって滝上部へと現われた。香西は二度、同じ滝で落ちる。一度目の滑落では立ちながら腰がらみで確保していた江尻は大きく体を前に持っていかれ、ザイルから手を離しそうになる。やはり確保を行うときは、足場をしっかりと確認して行うべきだ。それでも何とか確保に助けられ、無事、登ることができた。その後は水流も細くなり、いくつかのコタキをこえていくと、1380m程で、水が涸れその後は笹藪を嫌い、忠実に沢筋を詰める。沢筋が切れると10分程の薮漕ぎでゴンパ尾根上の登山道にでt。ここで、今回の沢登りの成功と本当の意味での江尻の沢復帰を祝い、ビールで乾杯した。その後足袋の履替えなど、下山の支度をしていると、奇遇なことに奥多摩警察山岳救助隊隊員と知り合いで、犬麦谷での江尻の転落を聞いたことがあるという、さらに、江尻の事故当日6/17と同じ日に谷川の沢でやはり転落し、骨折したという男性にあった。余りに偶然だった。彼は、僕らの話を聞き<奇遇だね。しかし事故にあっても良く沢に帰ってきた。これからも沢を嫌いになること無く、続けてくれ。おれも、再度、沢登りにチャレンジする。>と言い残し、西谷山へ向かっていった。我々はその後、カラマツと広葉樹の落葉の積もる、柔らかな土を踏みしめその心地好い柔らかさを足で感じながら、小川谷林道へと足をはこんだ。途中、突如雷雨に見舞われる。のぶよしは雨の神様ノブヨ神だという噂だが、今回は夕立では物足りなかったのか、降ってきたのは雨ではなく雹だったのには驚かされる。しかも降ってくるのを前もって知っていたのか、すでに自分だけ雨具を装着している。やってくれるぜ、ノブヨシ君。

遡行終了点から歩くこと2時間半、ゲート付近に止めた車まで帰り着く。その後、先々週の青岩谷と同様、もえぎの湯、焼き肉安楽ていを経由して、登攀の成功を労り、祝し、野田への帰路を辿ったのであった。
しかし今回の沢は江尻にとって、そして、ノブヨシ、香西、僕自身にとっても、おそらく今回の沢は忘れられない印象深いものとなった事だろう。今回の沢ではいろいろな経験をし、また、学ぶべき事も多かった。なおかつ、沢初体験のノブヨシからは、僕自身忘れかけていた沢に対する初心を思い出させてもらった。自己の技術に奢る事なく、初心を思い出しながら、今後も、バリバリ沢に行こうと思わされた山行であった。

 

文 小野 賢二

最終更新日 ( 2007/10/26 Friday 23:13:54 JST )
 
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